境内に入ったとたんにギョッとする人もいるだろう。 「これが寺か?」 と誰もが思う、独創的というべきか遊園地的というべきか判断しがたいこの寺は、ラーマ3世の手による他に例のない独創的デザインの寺。
チャオプラヤー川を次々に逆上ってくるヨーロッパ帝国主義諸国のモダンな大型船団を前にして、シャム国船舶界の将来に危惧を抱いたラーマ3世が、やがて消えゆくジャンク船への墓碑名がわりに建立したという。 「後世のシャム国民への教育的見地に立って」 こんなデザインになったそうだが、はたしてこんな船がチャオプラヤー川を航行していた時代があったのだろうか?
建立意図とは別の教育的疑問を投げかける、不思議な寺院だ。