寝るだけなんて、もったいない

もっと積極的にホテルを活用しよう

by 藤井伸二+ブライアン

 

“眠る”以外でも利用したいホテルの機能

 旅先でのホテルというと、ほとんどの人は、「ただ寝るだけの場所」 と考えがち。ホテルを“宿”としてしか認識していないからこのような考え方が生まれるのだが、本来ホテルとは寝るためだけの施設ではない、サービスを供給するための施設なのである。
 そのサービスも、基本的には宿泊客優先だが、宿泊客以外の利用もかまわないことが多い。「泊まっていないから」 「敷居が高そうだから」 といって遠慮する必要はない。
 使えるものは積極的にドンドン使ってみよう。そうすればホテルが持っている意外な便利さを発見できるはずだ。

 

手軽な喫茶店として使う

 ホテルには必ずと言っていいほど喫茶店(タイではコーヒーショップと呼ぶ)がある。どこもエアコン完備なので、猛暑の中の街歩きの際は都会のオアシスのような存在だ。
 市場や食堂に足を運んでもいいが、うまみに欠けるタイ特有の濃口コーヒー(あるいはインスタント)しか用意されていないから、くつろぎの一瞬を求めたいなら高級ホテルで休憩だ(ただしコーヒー1杯で30〜50Bはする)。
 午後のお茶=アフタヌーン・ティー)の気取ったセットが味わえるのは一部の高級ホテルだけが持つ特権。
 こうしたサービスを利用して、つかの間のハイソサエティ気分を味わう……ホテルとは気分を味わう場所であることを思い知らされる瞬間だ。

 

緊急事態……トイレはどこだ?

 街歩きの際に便意をもよおしてしまったらどうするか? バンコク市内には公衆トイレが少ないので困るが、手軽なのはデパートやホテルのトイレですませること。
 トイレ利用だけの客は、ホテル側としてはいい迷惑だが、いちおうサービス業なので黙認してくれている。
 ただしホテルの格に見合った身なりをしていない客は、たとえわずかの間の利用といえども、スタッフたちの白い目を向けられ気分が悪い。
 タイ人は身なりで客の人となりを判断する。高級ホテルの施設を利用する場合は、たとえそれがトイレだけであっても、きちんとした服装をしておきたい。

 

目の保養……美人スタッフを探せ

 高級ホテルには美人スタッフが多い。
 たとえばロビーにデスクを構えている GUEST RELATION だが、この係はいわばホテルの案内係。ホテルの顔ともいえるから、どこも美人(か愛想のいい女性)を抜擢している。
 高級ホテルを巡り歩き、彼女たちの笑顔を見て、ほほ笑みの国タイのすばらしさを再認識するのも楽しい。もちろん高級ホテルは男性スタッフも美男ぞろいだからマンウォッチングにも最適。
 ただ、スマートなのはよいが、サービス業の宿命か、どこかナヨナヨした女性的な男性が多いのも事実だ。実際、ホモの男性もかなりいる。

 

ホテルでデートだ

 ロビーの無料ソファは日本のホテル同様に待ち合わせの場所としても有効に使える。待ち人が来たらそのまま街に出てもいいし、館内のレストランやバーで食事や酒を楽しめば格別の高級感が味わえる……高級ホテルとは夢を買う場所……なるほど、そんな言葉があったな。
 ただし、気分が盛り上がったからといって夜間に宿泊客以外の女性(または男性)を部屋に入れるのは基本的に禁止となっている。
 ケチなホテルは連れ込み料を取って小遣い稼ぎをしているが、それを 「ジョイナー・フィー」 と呼ぶ。
 また、泊まってもいないのにロビーをウロウロしているとその手の女性と間違えられるから嫌だというタイ女性もいるから、その点の配慮は必要だ。

 

 

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