タクシーメーターと
トゥクトゥクの乗り方

by 藤井伸二+ブライアン

 

タクシーメーター

 乗車料金の計算にメーターを採用しているのがタクシーメーター。

「そんなの当然だろう」

 と思われるかもしれないが、ここバンコクでは1992年から走り始めた歴史の浅い乗り物。以前は運転手との直接交渉で料金が決められていたため外国人には利用しにくかったが、今では気軽に利用できる交通手段になっているし、車もわりと新しい。
 交渉制タクシーは今も走っているが数が少なく、もはや絶滅寸前。
 両者の違いは屋根の上のサインで、TAXI-METERと書かれてあればメーター制、TAXIだったら交渉制。

 

乗り方

 いきなり乗り込んでもいいが、運転手が道を知らなかったり(これがよくある!)、遠距離の場合は乗車拒否されることもあるので、まず助手席のドアを開けて目的地を告げ、乗車OKかどうか確認してから乗るのがコツ。このときメーターを使わず、いきなり 「××バーツだよ」 と金額を言うような運転手だったら即座に見送ろう。
 メーターがあるのに使わないのは本来は違法行為。この手の運転手には悪質な連中が多いから、最初から利用しないほうが賢明だ。
 料金は目的地までの距離と停車時間で決定される。初乗りは35バーツで、以後は距離に応じて2バーツずつ上昇し、停車時は1分ごとに1バーツ刻まれる。両者の合計が乗車料金になるのだが、端数が1〜5バーツの場合は切り上げてチップとなる場合が多い。それがいやなら小銭を十分に用意しておくこと。両替は乗客の責任で、持っていない場合、端数はすべてチップにされてしまうのだ。


注意事項


@夕方5時から7時までの時間帯は乗車拒否されることが多い。
 これは渋滞が激しく稼ぎにならないためと、乗務員の交替時間に近く、運転手が早く中継所に帰ろうとするから。
 雨の日も乗車拒否が多いが、そうなったら根気よく待つしかない。

A前部座席の乗客にはシートベルト着用義務がある。警官に見つかると罰金なので、助手席に座る場合は気をつけよう。

B複数で同方向に相乗りした場合、1人が降りるごとにメーターを戻してしまうことがある。
 なかば常識化した行為なので注意しておこう。

トゥクトゥクと交渉制タクシー

 バンコク名物トゥクトゥクにはメーターがない。料金は乗車前に運転手と交渉して決めねばならないので、慣れないうちは苦労する。タクシーの場合も同じだが、料金はエアコンが付いていてる分だけ若干高い。
 料金交渉の方法は市場での買物方法とまったく同じ。相場を知らないとどうにもならないが、言い値は常に妥当な料金より10〜20バーツほど高いもの。
 タイ語のわからない外国人の場合は20〜60バーツも高くフッかけてくることがあるが、言い値が100バーツ前後の場合はタクシーメーターの料金と同額かそれ以上のことが多いので疑ってみよう。
 不安な人は無理して乗らず、身近のタイ人にたずねて標準的な値段を調べるか、まずタクシーメーターに乗って料金感覚を養ってから利用するように。

 ボラれないコツとしては、ホテル前や観光地で待機している運転手を避けること。金払いのいい外国人旅行者ばかりを相手にしているので英語は解するが、驚くほど高かったりする。誘いを振りきって流しの車を停めればいいが、そんな運転手の大半は英語を解さないから困ったものだ。

 最後に、料金は目的地に確実に着いてから、最初に決めた金額を払うこと。あとから値段を上げられたり、「チップをくれ」 と言われても無視しよう。
 さらには、着いたら目的地ではなく宝石屋やみやげもの屋の前だったということもある。これは彼らが提携先のショップの客引きを兼ねているためで、そんな場合は激しく怒って引き返させるか、金を払わずさっさと立ち去ろう。

 


料金交渉の目安

   歩いて5〜15分ほどの距離  40バーツ

   歩いて15〜30分ほどの距離  40〜60バーツ

   市バスで15〜20分ほどの距離 60〜100バーツ

   それ以上の距離         100〜バーツ

 渋滞時や降雨時は上記金額より20〜50バーツ増しになるか乗車拒否される。
 逆に深夜は10バーツほど安めで走ってくれることがあって得した気分なったりする。
 また、日中でもトゥクトゥクは長距離を走りたがらないので、その場合はタクシーメーターを利用する。たとえば市内からドンムアン空港までトゥクトゥクで、などというのはまずムリな相談だ。

 

 

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