タイでの旅行トラブル集11

甘いポン引きの誘い

提供 ジャアク商会
藤井伸二+ブライアン


「チョトマテ」 「ミルダケ」 「オンナキレイ」 がタイのポン引きの決まり文句。男性旅行者のすけべ心というスキにまともに突っ込んでくる連中だ。

 彼らの話を素直に信じて、ワクワクしながらついていくと、どうなるか。

 店内で繰り広げられているのはたしかに謳い文句どおりのショーだが、会計が約束と違う。ワンドリンク100バーツなんて大ウソで、1杯100ドルくらいの勘定になっているはずだ。
 抗議してもムダで、奥から怖いニイサンが出てきてすごまれる。値切れば安くなることもあるが、タダで帰れることはまずない。あとで警官を呼んでもダメ。

 しかし、通りで声をかけてくる連中が全員インチキかというと、そうでもない。
 いちおう書いておくと、店の前から移動せずに呼び込んでいる客引きはただの呼び込みで、こちらが歩くと一緒についてくる呼び込みはボッタクリバーの客引きと考えて、まあ間違いのないところ。

 間違っていても、文句は言わないように。


ブラ これでも最近は減ったほうだよな。昔は暴力バーなんて何軒もあったよ。

藤井 まだいくつか残ってるね。

ブラ 抵抗した韓国人が殺された事件もあった。

藤井 韓国人は強引だからねえ。なんでも力づくだけど、そこは敵地だってことを忘れてる。

ブラ あのときも、周囲の人間が妙に淡々と話してたのが印象的だった。女の子に聞いてもさ、「通りのまん中で死んでたよ」 って、ただそれだけ。荒っぽい連中は本当に荒っぽいってことを、よく知ってるんだな。

藤井 怒り心頭でポン引きに突っかかっていった日本人がリンチにあってたこともある。でもねえ、日本に比べれば、まだ手心があるほうだと思うよ。

ブラ パッポンとかに昼間いる客引きはなんだ? 

藤井 あれはフロ屋だろ? 紹介料のもらえるフロ屋に連れて行くんじゃないかな。アタミとかモナリザとかね。

ブラ 旅行者と露天商の殴り合いもよく見るな。

藤井 旅行者は遊び気分で買い物するじゃない。でも、売るほうは生活かかってるんだよね。夜店は酒を飲んで出かける客が多いからさ、客も横柄なんだよ。

ブラ パッポンの露店に関しちゃ香港並みだよな。買わなかったら 「ファックユー」 だ。

藤井 あそこはタイだと思わないほうがいいね。

 

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