タイ国は、麻薬に関しては密告奨励制度をとっている。売人や所持者を報告すれば報奨金がもらえるのだ。 具体的に書くと、悪質なタクシー/トゥクトゥクの運転手、ホテルのボーイやポン引きたちが麻薬類の購入をすすめてくる。それで、 「マイ・ペン・ライ、ノー・プロブレン(大丈夫、心配ない)」 なんて一言を信用して部屋で一発キメていると警官が踏み込んできて、おしまい。 この場合、現行犯逮捕がほとんどなので、言い逃れは不可能。 ちなみに、もし逮捕されるとどうなるか? まず所轄の警察署に連行されて拘留。 また、無事当局の目を逃れたからといって危険が去ったとは言えない。危険を冒すスリルの前にすっかり忘れている人も多いようだが、麻薬そのものがかなりの危険毒物なのだ。 「麻薬で精神革命を」 などと考えているふとどきな輩は文明国(?)から来た傲慢な旅行者しかいない。麻薬をやれば偉くなる、ハクが付く、などとは考えないことだ。そんなものを自慢したって未来ナシ(ところがこれが多いんだな)。 「絶対安全。ノープロブレム」 という麻薬売人の言葉を真に受け、買って帰ってさあ一発キメようかと思っていると、いきなり警官隊が踏み込んできて御用。秘密にしていたのに、なぜわかったのか? うまい儲け話を聞かされ、軽いアルバイト気分で麻薬の運び屋になるが、タイ出国寸前に空港で逮捕。自分ではうまくごまかせたと思っていても、それ以前に密告によって当局にはバレている。 タイ旅行の常連の中には 「××ゲストハウスでやってりゃ安全」 とか 「××島のフルムーン・パーティなら見つからない」 とか 「売人の××チャンから買えば平気」 などと言う者もいるが、そんな情報がいつまで有効かはわからない。 ブラ いやまったく、最近は本当にきびしいよ。変なことはやらないほうがいい。 藤井 俺の知り合いも言ってたね、「パンガンも、もうダメです!」 なんて。なんというか、連合軍の進撃を前にした帝国陸軍兵士みたいな感じだったよ(笑)。もうパンガン島ではフルムーン・パーティが死守できないって。まさにヒッピーの硫黄島だな。 ブラ 昔は本物のヒッピー外人がバンガローの前でハッパを栽培してたりして、そのわびしさがよかったけどね。 藤井 いまじゃ船着き場についたとたんに警官にボディチェックされるっていうよ。 ブラ そうなったら彼らは行くところがないね。カオサンも一斉が多くなったし、このあいだのV.S.の手入れもすごかったよな。来たのはチャナ・ソンクラムの警官じゃなくて麻薬Gメンだし、警察病院の医者まで連れてきた。しかも真夜中だ。よほど確信があったんだろう。 藤井 俺は知ってるんだけど、内通者がいたんだよ。でも、もともと悪いことしてるんだから、文句は言えないんだよな。 ブラ やっぱり隣の国に行くしかないか。 |
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