タイ・東北地方のシーサケット・ホテル。久々の×××××、5ペケホテルだった。ま、ホテルといっても100バーツの旅社だ。なに、そんな安宿に泊まって文句いってんじゃねー!と?
ごもっとも、しかし今回は事情がちと違う。もちろん、100バーツの安宿だからぼろかったり、おねえちゃんの愛想がないくらいは気にしない。部屋にゴキ君がでったって、まー我慢だ。
しかしである、ダニがいたのはやはり困る、これは値段の安さじゃない。
これは文句を言って殺虫剤をまかせ、シーツと枕カバーを交換させた。おかまのボーイがふてくされながらやってくれた。
問題は防犯だ。
部屋の鍵がでかかったので、朝フロントに鍵を預けて外出した。もちろん安宿の部屋に貴重品は置かないが、バックや日用品は置いてある。
帰ってフロントで鍵をもらおうとすると……。
「マイミー(ない)」
「え、なんで?」
「マイルー(わからない)」
「探してよ」
「マイペンライ(大丈夫)。マスターキイがあるからこれで開く」
「え、それじゃ外出できないじゃない。とりあえず部屋に行くけど探してよ」
部屋に行ってみると、なんと鍵が開いてるではないか! そして2重鍵のところにかけておいた私のチェーンが捻じ曲げれて、隙間から侵入しようとした形跡がある。
「開いてるよ! 誰かが入ろうとしてる。誰かが鍵を持ってるんだよ」
「いや、そんなことはない」
「じゃ、なんで鍵が開いてるんだ」
「知らない」
それからは、
「知らない」
「わからない」
「問題ない」
の繰り返し。レベル的に稚拙すぎて話にならない。昨日のチェックイン時も鍵を渡されて行ってみると、そこにはすでに他の若いタイ人グループが。まったく部屋の管理ができていない。自前の南京錠用の鍵穴のへりが広くて南京錠が使えなかったが、チェーン鍵をかけていてよかった。安宿で個室に泊まる時は自前の鍵もかける。貧乏旅行の必需品だ。
次の日に100バーツ払ってくれといってきたが
「マネージャーと話してからね、マネージャーは?」(前日にも呼んだが忙しいと言って来なかった)
「いない」
「じゃー、さよなら」
「え、ちょっと待って」
だるそうに出てくるマネージャー!
経過を話す。
「問題ない」
まったく聞く耳も持たない。
「わかった、100バーツ払いたくない。これでね。」
こういうときに50バーツとかない。しゃーない、1ドル札を握らせる。でぶのおばちゃんマネージャーは一瞬、ムっとしたがシッシと追い払う手つきをした。くそったれだぜ!! でも、いいなりに金を払わなくてスッキリだ。今夜はこれでビアチャンではなく久々のビアシンで乾杯だぜ!と踵を返して駅へ向った。
*なぜ、ここに泊まったかというと、シーサケットは極端な宿不足だからだ。街いちばんのホテルも閉鎖されてしまっていた。どこもいっぱいか高いので、しようがなくここに。
しかし、こんな宿でもほば満室。正月ということもあるのだけど。
ブリラム、スリン、シーサケットは、タイで最も貧しい地域だ。タイの地方で安宿に泊る時は注意が必要だ。
(2008.08)
このトラブルに対しての心得
1.安旅社、安ゲストハウス、安バンガローの寝具にはダニ、南京虫、ツツガムシが生息していることがある。2008年にはタイ国鉄の寝台車でも大量発生し、長期間運休させて駆除するハメになったりもしている。
2.南京錠は必需品。かけられる状況であれば必ずかける。
3.ドアでもバックでも、持っている鍵はすべてかけて外出する。
4.安旅社、安ゲストハウス、安バンガローで盗難事件が発生しても、すべては泊まった人間の落ち度であり責任になる。
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