タイの国民は王室を大変深く尊敬している。東京の街角などでは、たまに左翼系の人々が反皇室アジテーションを展開しているが、ここタイではそういった連中に出会うことが、まずない。 「王室を敬う」 のはタイ国民の一般常識だ。 わたしたち旅行者も、タイに滞在中はタイ王室に対して尊敬の念を抱かなければならない。トラブルを避けたいなら、国民の感情を逆なでするような知ったかぶりな言動や行動は慎むことだ。 日本人と皇室との関係をそのままタイにあてはめてはいけない。タイ人と王室との関係は、それよりももっと厳しいのだ。 多くのタイ人は、「日本人もわたしたちと同じ仏教徒」 と考えており、仏教に対する考え方も同じようなものだと思っているようだ。 「あいつらはナーンも知らんのだ」 と許してもらえたりするが、日本人だとそうはいかず、タイの仏教が馬鹿にされたと感じてしまう。 寺院を見学に行く時はきちんとした服装を心掛けたいし、街をいく僧侶には敬意を持って接したい。僧侶はわたしたち一般人とは別格の存在だから、それは当然のことなのだ。 また、寺院の本堂や仏像は大変に聖なるもの。いい大人がバカ丸出しで本堂内をはしゃぎまわったり大声をあげたりするのは不敬というより人類の恥だ。 旅先ではしゃぎたい気持ちはわかるが、寺院は観光ではなく拝観するために赴く場所だ。それを思い、聖なる心を持って接すれば、あなたの心は今より一歩、涅槃に近づくことだろう。 タイには、「この足の裏野郎!」 という罵倒語があるくらいで、足の裏は人体の中でも不浄の極み。そんなわけで、あぐらをかいたり、椅子に座って足を組んだりした時には (足を組むという行為自体いけないことなのだが) 足の裏をタイ人の方向に向けないようにすること。 また、人の体をまたぐ行為も厳禁だ。隣に座っている人の足をまたいでもいけないから、映画館やバス、列車の車内では、特に注意しよう。 タイの警察官は、給料は安いものの地位は高い。彼らに向かって不遜な態度をとったり、手を出して突っかかったりすると、それだけで重大なトラブルになる。 人の頭は精霊の宿る大切な場所と信じられているので、他人の頭部にはなるべく触れないこと。 タイでは右手は清浄、左手は不浄ということになっている。 公衆の面前での男女交際にも注意したい。 そのほか、タイには精霊信仰に基づく迷信やタブーが多く、ひとつずつあげていけばきりがない。 藤井 タイ人は、自分がバカにされるのを嫌うからねえ。 ブラ でも、他人をバカにするのは好きなんだよねえ(笑)。 藤井 けっこう調子いいからな。説教たれているときは、自分がだれだかわかってないことが多い(笑)。足元を見る習慣なんて、ないんだよ。主役はいつも自分なんだから。 ブラ いまの王子が王位に就いても、国民は敬意を払うんだろうか? 藤井 いまでも5世の写真を掲げてるように、次代になってもプーミポン王の写真は降ろさないと思うよ。 ブラ こういう話をすること自体が、タイでは不敬罪につながりかねん。 藤井 その王様より、お寺の坊さんのほうが偉いんだから、タイっていう国はむずかしい。 ブラ マナーっていう話なら、日本人が公衆の面前でキスするところを見るのは、俺はとっても嫌なんだが。 藤井 欧米人のマネなんだが、どうやってもマネでしかない。身についてないから、極端に田舎臭いんだな。やるならもっとスマートにやってほしいけど、だいたい無理にマネする必要はないと思う。ほかの愛情表現法もあるだろう。 ブラ アイコンタクトとか? 藤井 それは、もっと下手なんじゃないか? ただの媚態になってたりするぞ。 ブラ ともかく、空港なんかでタイ人女と白人男がベタ〜ッと愛を交わしている光景に似た不愉快感があるな。 藤井 カメラマンのN氏が言うところの 「発情してる」 だね。いやホント、的を得た言い方だと思うよ。 1.団体旅行者だからといって調子に乗らない 2.タイは日本ではない 3.タイは遊園地ではない |
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