タイでの旅行トラブル集21

病気について

提供 ジャアク商会
藤井伸二+ブライアン


 旅先で待ち受けている病気も旅行者を不安にさせる要因のひとつだ。とくに熱帯のタイでは日本にはない病気が待っていそうな気がして、ほとんど未知の領域に踏み込む気分の人もいるのではないだろうか。

 しかし、むやみに心配する必要はない。タイ人も我々と同じ人間であって、とくに病気に耐性のある人種ではない。熱帯特有の病気はあるものの、どこにでも蔓延しているという類いのものでもない。健康管理に気を使い、三度の食事と睡眠をきちんととって、病原菌につけ入るスキを与えなければ暑さも気候も関係ない。
 要は常日頃からの生活態度次第である。病気になるもならないも本人の心掛けひとつと言えるだろう。

 それでも病気になってしまったらどうすればいいか?
 大切なことは、

@病気の具合を探る

A原因は何か?

B無理は禁物

 の三点。
 とにかく、「おかしいな」 と思ったらまず安静にすること。それは病気等ではなく単なる疲労・体力不足かもしれない。
 あるいは、いきなり変わった生活環境に体がついていけないだけかもしれない。
 栄養を補給し、暑さを避けて静かに横になっていれば気力が戻ってくることもあるだろう。

 それでも回復しないようなら病院で医者に見てもらうか、薬局へ行って薬剤師と相談して薬をもらう。
 大病院に行けば医療技術は先進国並みに進んでいるし、日本の医大を卒業した日本語を話せる医師のいる病院もある。
 医療費もそれほど高くないので──タイの物価から考えると高いが──「もうダメだ」と思う前に診察を受けることをすすめよう。

 ただしタイの病院・薬局とも、いいかげんなところは日本と同様むやみやたらに薬をくれる。薬物で代金を吊り上げようとする魂胆がみえみえのところも多い。それが本当に回復につながるのならいいが、タイ人はそう見ていないようだ。悪質な金儲け第一主義の医師・薬剤師も実際には多い。

病気別の解説

@ 風邪

 俗に 「夏風邪をひくのは馬鹿だけ」 と言われるが、常夏の国タイではそうも言っていられない。暑くても風邪はひくものだ。
 旅行者にとってくせ者なのは、部屋の天井でうなりをあげて回転している扇風機やつけっぱなしのエアコンなどの空調機器だ。暑いからと言って一晩中回していると、翌朝には必ず風邪をひいてしまう。
 リバー・クルーズなどで川風に当たり過ぎるのも禁物だ。
 かかったと思ったら、安静にしていること。日本の風邪薬では治らないことが多いので、市内の薬局で症状に応じた薬を買ったほうがいい。

A 下痢

 食物や飲料水で起こる下痢。タフな人なら平気かもしれないが、胃腸の弱い人はジュースに入っている氷や、タイ料理にはつきもののニンニク・トウガラシなどの刺激物を食しただけでも下ってしまう。
 日本から持ち込んだ薬で効かない場合は迷わず薬局へ行こう。水分を奪ってむりやり下痢便を止めてしまうジャンセン社のイモジウムなんて薬もタイにはある(服用後、便が変色するが、そんなもの)。飲んでもいいが、怖いならまず医者にかかろう。

B 赤痢、腸チフス、コレラ

 バンコク市内ではまずかかることはないので、神経質になる必要はない。すでにコレラの予防接種義務もなくなっている。伝染病の噂すらない昨今のバンコク、不潔そうに見える屋台も意外と衛生面に気を配っているのかも……(このあたりの裏話はワニマガジン社 『実録 アジア悦楽探検』 の中にすこ〜しだけ書いてあります)。
 しかし、薬を服用しても回復の兆候が見られなかったり、下痢と同時に発熱したり、いつもと違う色の便が出たり、嘔吐がある場合は、手遅れにならないうちに医者に見てもらおう。ひとりで苦しんでいてもはじまらない。

C ウイルス性肝炎

 体がいやにだるくて食欲がない。褐色の尿に白っぽい灰色の便が出はじめ、嘔吐がある。単なる疲労の蓄積かもしれないが、顔に黄疸が出ている場合は肝炎の可能性もある。
 もし肝炎だった場合、素人療法は不可能なので、迷わず病院に直行する。肝炎は経口感染ののち1〜2週間の潜伏期間をおいて発病するので、原因がわからないこともしばしばある。
 原因がわかったところで、肝炎には特効薬がないので、安静にしているしか治療法はない。
 ただし、安静にしていれば治るので、それほど心配はいらないが、肝炎にかかるということはそれだけ体に抵抗力がなくなっていたということなので、以後の体調維持には十分な注意を払うこと。無理を続けると肝炎ウイルスに付け入るスキを与えることになる。
 予防接種も可能だが、打ったところで100%の予防はできない(予防確率50%以下ということです)。バンコク市内の大病院でも打てるが、ミッション病院の医師によると、「1本500バーツの注射を1カ月おきに発打たないと効果がない」 という。これで1年間有効だが、短期旅行者にはちょっと不向きだ。
 日本国内で打つ場合は保険が効かなかったり、2本の注射を打つのに半年かかったりする。確実性のない予防接種を受けるより、栄養のある食事を取って休養を十分に取りながら旅を続けたほうがいいと思うがどうだろうか。

肝炎について:藤井注

 私はカンボジア帰りにA型肝炎になりましたが、上記とまったく同じ症状になりました。アジアでよくかかるのはA型で、これは完治します。どのような場合でも、ともかく診察してもらうことです。

肝炎について:読者からのアドバイス

 劇症肝炎はB型です。
 C型は輸血など血液感染で、旅行中ハリか輸血でもしない限りかかりません。
 B型は性行為でも感染します。
 A型およびE型肝炎は発展途上国に行けばどこにでもあります。なまの飲み物、食べ物が要注意。
 B型のキャリアの人の場合、性行為でD型が起こってくる可能性があります。
 麻薬関連の注射でB型、C型、エイズなど、すべてが感染します。

(pinyawat様より)

D マラリア

 熱帯の病気というと 「マラリア」 と答える人も多いが、バンコク市内で感染することはまずない。それでも心配だ、と言う人は予防薬を飲んでもいいが、この薬はかなり強力なので、マラリアよりも副作用のほうが心配になってくる。
 バンコクだけの滞在なら飲む必要などまったくないし、北部タイでの短期トレッキングでも服用はやめたほうがいいと、良心的な薬剤師なら言ってくれるだろう。
 この予防薬について日本の医師にたずねたところ、「目が潰れるかもね」 という返事をもらった。よほどの僻地に行く予定の人以外は飲まないほうがいいかもしれない。
 ただし、タイ東部・南部地方の無人島に近い小島に行く人は気をつけたい。マラリアにかかった旅行者の話もたまに聞く。北部山岳地帯より危険度は高い。
 また、ジャングルの中ではマラリアよりデング熱のほうが怖いとも聞く。

E 性病

 自覚症状があって、心にやましいところがあるなら、恥ずかしがらずに医者に行くべきだ。淋病などの軽い性病は薬局で売っている薬……飲み薬も注射薬も売っている……で治すことができるが、病原菌も耐性をつけているので、一筋縄ではいかないものが多い。
 タイの性病はしぶとく、日本国内では治せないこともある。日本では強力な薬物による治療が禁止されているので、なかなか治らないのだ。

F エイズ(AIDS)

 ウイルス保菌者との性行為や血液交換などによって感染する。感染すると5年以内に半数以上の保菌者が発病し、大半は死んでしまうという恐ろしい病気だ。治療法はまだ発見されていないので、かかってしまったら治しようがない。
 現在タイ国には確認されているだけでも30,000人近いエイズ・ウイルス(HIV)保菌者がいるとの厚生省発表がなされているが、民間調査団体の報告ではタイ全土に約20〜50万人のHIV保菌者がいるとされている。
 器具を使う麻薬が蔓延していることや危険意識の欠落、売春が極めて一般的な歓楽となっている状況などを考えると、撲滅は絶望的だろう。
 男女比は男4対女1の割合だが、この比率も年々1対1に近づいてきている。これは従来麻薬常用者(おもに男性)の間で伝染していたエイズが性行為を介して一般女性・娼婦の間にも浸透しはじめたことを示している。厚生省の発表では全国の娼婦の12%がHIV保菌者であるという(数年前の調査)。バンコクでは感染率は20%とも言われ、それが本当なら娼婦の5人に1人がエイズとなるが……ひぇぇぇぇぇ!
 日本ではすでに忘れられているエイズ問題だが……あるいはタブーになっているのか……タイではいまも身近に迫った深刻な社会問題。日本人の認識は甘いが、けっきょく責任を取るのは行動した本人になるこの病気、「死して大罪を謝す」 などということにならないよう、理性ある行動を取りたい。


藤井 俺はあまり病気になったことがない。いちばんひどかったのが肝炎で、その次は下痢かな。

ブラ 旅を続けるには健康第一。そのために体力トレーニングまでしてるわけだからな。

藤井 そうだ、寄生虫にやられたってのを忘れてた。アニサキスっていうんだっけ? あれっぽいヤツに苦しめられて、マレーシアでのたうちまわったよ。

ブラ 寄生虫は怖いな。イサーンの連中はひどく怖がるよ。

藤井 彼らは川魚を食べるからね。鯉やフナや雷魚の生食は危ない。食べる人はいないだろうけど、皮膚の下を這い回る強烈な寄生虫がいる。

ブラ トカゲも生で食べると危ない。寄生虫が脳を直撃してよく死んでるよ。

藤井 性病はどうだ?

ブラ 俺は安全に努めてるから、かかったことがない。

藤井 気にしない連中もいるな。娼婦相手に、いまでもゴムなしってヤツがいる。

ブラ もう感染済みって証拠なんじゃないの?

藤井 わかんないなあ。みんないちおう 「つけてるよ」 って言ってるけど、本当かどうかわからない。そう言いながら生でやってるヤツも多いと俺は見ている。

ブラ 女が許すのか? 許さないだろう。

藤井 許す女もやっぱりいる。感染済みって証拠なのかな(苦笑)。

ブラ 風俗産業に関わってる女の子たちは検査してるんだろうか?

藤井 やってても入口の検査だけじゃないかな。パッポンのあるバーは検査を義務づけてるけど、入口だけ。血液は取ってない。フロ屋だってそのくらいだと思うよ。

ブラ 話題のカンボジアなんてどうだろうね。

藤井 知人が言ってたけど、「顔にドクロマークを書いとくべき」 ってね。俺も冷やかすのは好きだが買うのは怖い。迷惑な客だけど、実際、性病の前に皮膚病になりそうなんでね、あそこは(笑)。

ブラ ああいうところで女を買うヤツは、性病以前に精神病の気があるね。若い女の子を前にして、正常な判断ができないんだろう。

藤井 一時、中国人の金持ちが北の山奥でやってた子供狩りと同じだろうな。あれだって4人に1人はエイズだったわけだし、カンボジアはもっとひどいと俺は思うよ。

 

タイ旅行前にぜひ読みたい!

タイでの笑える旅行トラブル集を
コミック化した1冊

タイ旅行で死ぬかと思った!!
〜知らなきゃアナタもダマされる〜

価格 1,000円……ですが
すでに新刊の在庫なし
とごかで目にしたら
その場でゲットしておきましょう

 

アジアの中心 ジャアク商会のホームページはこちら

記事の無断転用を禁じます



ジャアク商会への声援、激励、
新たに発見されたトラブルの報告は

ジャアク商会総本部

まで、ご連絡を

スーパーおすすめサイト