タイでの旅行トラブル集4

身近な危険は交通事故

提供 ジャアク商会
藤井伸二+ブライアン

 

 タイ人の死因のトップは事故死。なかでも交通事故死がもっとも多く、タイ人の交通マナーの悪さが実感できる数字だ。

 いや実際、これが危険度ナンバーワンだろう。バンコクで三度も車にはねられている私(藤井のこと)が言うんだから間違いない。トゥクトゥクにぶつけられたときなんて、軽く5メートルくらいはねとばされたからね、まったく。

 交通弱者をいたわるなどという道徳はこの国にはない。道路は歩行者のためにあるのではないので、たとえ横断歩道を渡っていても安心はできない。
 多くの交差点は常時左折可能なので、歩行者用信号が青であっても車は突っ込んでくる。見切り発車や赤信号への無理な侵入も日常茶飯事。歩道上をバイクが走るのも渋滞時には当たり前のことだ。
 また、ほとんどの車のガラスには、厳しい南国の日差しを避けるため着色加工が施されている。昼間は快適だろうが、夜間はサングラスをかけて走っているのとまったく同じということもお忘れなく。

 交通戦争という言葉が一時日本でよく使われたが、ここではまさにそのとおりの戦場だ。そうとなれば、通りを行き交う車は銃弾、トラックやバスは戦車、横断歩道は最前線、安全地帯は防空壕かな? そんなふうに考えれば街歩きも一段と楽しくなるかもしれない。調子に乗って匍匐前進するのは大バカものだが、ヘルメットぐらいはかぶりたくなるほど激しいことだけは間違いない。

 そこで、もし我々が交通事故に遭ったらどうするべきか?

 即死の場合は手の打ちようがないが、意識があるなら気力を振り絞って救援を待とう。
 バンコク市内の救援システムは、華僑報徳善堂華僑義徳善堂などのボランティア団体によって非常に俊敏かつ手際よく整っている。彼らは独自の情報収集ルートを持っているし、警察無線も傍受しているから、大事故だった場合は、すぐにどちらかの救急車が警察よりも早く駆けつけてくれるだろう。
 ただし、彼らは怪我人よりも死体をあつかうほうに喜びを見いだしている気もするから、あなたがその場で死んでいたほうが喜ばれるかもしれない。

 物損事故の場合、保険に加入している場合はすぐに保険会社に連絡する。そうでない場合は、その場で示談交渉に入る。
 車などに乗っていて相手の車とかすったりした場合は、「しかたがない」 だけですんでしまうことも多く、このあたりはタイ的にけっこう寛大だったりする。高級乗用車に乗るような人なら 「相手のささいな過失は大目に見てやる」 くらいの太っ腹でなくてはならないようだ。
 セコセコしていると、被害者の方が悪者になってしまうことがある。たとえ警官が来ても、

「キミ、お金持ちなんだろう?」

 と裕福な方が慰められ、事故はうやむやになってしまうこともある。
 すんでしまったものはしかたがない、とあっさり気持ちを切り替えてしまうのは万物所業無情の仏教教義が生きているためだろうが、ぶつけられ損のくたびれ儲けじゃ腹も立つものさ……

(……などと書きつつも、実はバイクでピックアップトラックの荷台にぶつかり、相手のウインカーを割ったけど、「マイペンライ」 で許してもらった藤井だったりするから、あまりタイ人のことを悪く書けないのだ)


注:藤井はヤワラー通りで市バスに、サートーン・ターイ通りでバイクに、チャルン・クルン通りのロビンソン前でトゥクトゥクに体をぶつけられている。

藤井 いやー、トゥクトゥクのときは俺もダメかと思ったね。かなり勢いよくはねとばされてさ、こりゃ大変なことになったと思いながら路上に倒れてたよ。でも、あごの骨がずれただけですんだ。運がよかったねえ。肩が強烈に内出血しててビビッたけど、鍛えてなけりゃ骨が折れてたところだ。

ブラ よくそれだけですんだなあ。

藤井 いや、まったくそうだよ。『うしろの百太郎』 の愛読者であった俺としては、背後霊が助けてくれたとしか思えないね。

 そんなわけで、偶然や背後霊の力を借りる前に、道路を横断する際は、周囲をよく確認しましょう。

 これ、冗談じゃないですよ。交通事故は、タイでもっとも身近にある危険です。私の知人はすでに2人亡くなっていますから。

追記 1

と、上記のように注意をうながしていたこの1999年の6月に、
バンコクで働いていた藤井の知人の日本人の方がまた1人、
交通事故で亡くなられました。
ご冥福をお祈りするしかありません。

追記 2

2003年12月にも、日本人旅行者がNo.29の市バスにはねられて亡くなりました。
本当に危ないです(ジャアク商会代表の藤井)。


このトラブルに対しての心得

1.路上での歩行者は弱者である。

2.弱者をいたわる考え方はドライバーにはないと考える。

3.タイの自動車学校のレベルは小学校程度。

4.悪質な運転手は歩行者をよけない。


 

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