ラーマ5世がドゥシット庭園を造成するにあたって新築した、迎賓と国家儀式の執行用の宮殿。 1907年にラーマ5世の命によって建設着工され、1915年ラーマ6世時になってようやく完成した。
ラーチャダムナン・ノーク大通りの突き当たりに堂々とそびえ立つ大宮殿の白い外壁には、素材としてワット・ベンチャマボーピットと同じイタリアのカララ市から運び込んだ大理石が使用され、その表面にはモダンで美しく複雑な彫刻が施されている。 宮殿全体の建築様式並びに周囲を取り巻く庭園ははヨーロッパ・ルネッサンス様式で統一されており、タイ臭、仏教臭はほとんど感じられない。
1932年に勃発した立憲革命以降、宮殿は国会議事堂として長く利用されてきたが、隣りに近代的な国会議事堂が新築されてからは、無人の状態が続いている。 内装にはラーマ6世までの歴代国王の偉業をたたえる壁画で飾られ外装に劣らない凝ったものになっているが、一般公開はされていない。