ウィマンメーク宮殿

 

 旧ドゥシット宮殿の中心を成す建造物で、ラーマ5世が実際に起居されていた木造の宮殿。これだけ大きな総チーク材造りの3層建築は世界的にも珍しい。
 設計は、こういったタイ欧折衷の建築物を得意とするラーマ4世の子息ナリッサラーヌワッティウォン親王。
 ラーマ5世の崩御後閉鎖され、以後まったく使用されていなかったが、シリキット王妃(プーミポン現国王の后)の手によって修復され、1983年から博物館として公開されている。

 釘を一切使用していない(ドアなどの立て付け部には使用しているが)宮殿は8角形を基調にデザインされている。
 計算されているのか風の通りがよく、暑い季節でも爽やかに過ごせるようになっている。
 1階から3階までの各部屋には世界各国から寄せられた食器、調度品、贅沢品、珍品の数々が品よく展示されている。
 水道が引かれていないにもかかわらず最上階にある浴室や、旧日本軍の爆弾のせいだと言われている廊下の焦げ跡など見どころは多い。
 宮殿は広い庭園と池に囲まれており、内部は静寂そのもの。
 見学中は、誰もがラーマ5世と同じ豊かな気持ちになれるはずだ。

 

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