タイでの旅行トラブル集6

一般的な詐欺の手口

提供 ジャアク商会
藤井伸二+ブライアン

 

具体例A いかさまトランプ賭博の場合

 タイと言わず、マレーシアやシンガポールでもよく起こる事件だが、本家はフィリピンらしい。

 別記と同様のテクニックで接近し、カモとなごんだあと、
「わたしの妹が日本で働いている。彼女は歌手だ」
「わたしの母親が病気なので見舞いに来てほしい」
 などと切り出したら、以後は間違いなくこの展開となる。

 まず、
「立ち話もなんだから、どこかで話をしよう」
 ということになり、手近の屋台や食堂などで飲み物などをおごってくれる。
 しばらくは世間話をし、やがて、
「わたしの家に来てくれないか」
 となって、行ってみると、そこには歌手の妹も病気の母もいない。かわりに 「マレーシアのカジノで働いている友人」 と称する男が現れ、いかさまトランプのやり方を教えてくれる。
 その後、また妙な男がやってきて、
「この人は××国の金持ちだ。一緒にカードをしたいと言っている」
 と紹介されて、ブラックジャック(21)が始まる。
 カモはなんだかわからないまま、それでも金儲けの話に惑わされプレー開始。
 いかさまのおかげで最初は勝ちに勝ちまくって、そのうちすっかり有頂天に。

 ここで 「見せ金がいるから」 などと金持ちが言いだし、プレーは一時中断。しかたなく銀行に行き、持ち金すべてを両替する。
 変な話だが、カモは金に目がくらんでおり、これがサギだとは思えなくなっているのででノコノコと全財産を両替してしまう。
 しかし、両替するととたんに負けがこみだして、最後は大赤字。
 相手の金持ちはそこで、「帰るから金を出せ」 と言い出す。

 こうして最後は、「しょうがない、君の負けだ」 となって、有り金を巻き上げられるのがいつものパターン。カモが勝ち逃げしたためしはない。


このトラブルに対しての心得

1.必ず先方から声をかけてくる。

2.笑顔のフィリピーナには警戒せよ。

3.バクチで儲かるはずはないと思え。


 

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