サオ・チン・チャー

 

 ワット・スタット正面に建つ赤い鳥居状の建築物は、実はバラモン教の神シヴァに捧げるためにワット・スタット建立に先駆けて造られた総チーク材造りによる全高21メートルの大ブランコだ。
 建造は1784年、ラーマ1世の命による。

 肝心のブランコが現在取り払われているため、一見すると、日本の神社にある鳥居のようにも見えるが、実際に鳥居の元祖はこのバラモンのブランコにあるという説もある。

 チャクリー王朝がまだ専制君主制をとっていたころ、毎年ここで旧暦の2月に、4人のバラモン教の司祭がブランコに乗って曲芸的に大きく揺する行事が行われていた。
 ブランコと言ってもそれは遊園地にあるバイキングを思わせる小船のようなもので、合計6本のロープで上から吊り下げられていた。これを地面とほぼ垂直になるまで揺するのだ。

 しかし、この行事もバラモン司祭たちが神聖な式典の最中にブランコから落下するという神事らしからぬ事故が起こったためと、あまり仏教的ではないという理由で、1935年に中止された。

 バラモン教信者ならずとも見てみたい行事だが、現在に至るも復活の兆候はない。

 

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