毎週末の土日、2日間だけ開催されるなんでもありの大市場。
以前は王宮前のサナーム・ルアンで開かれていたが、1982年のチャクリー王朝200周年記念行事の一環として、新たに造成されたチャトゥチャック公園南側の旧タイ国鉄所有地に移転された。
市場はひとつの街と言っていいほど広く、出店している業者の数も数え切れないほど多い。露店や行商人も含めるとこの市場での営業店舗総数は10,000以上と言われている。
通路は狭く、頭上はテントに覆われているため、常に薄暗い。その両側に、学園祭の模擬店風商店がぎっしりと並んでいる。そんなところに毎週20万人にも達する買い物客が繰り出すのだから、混雑の具合は想像どおり。
タイの市場の常で、通路は非常に歩きにくく、さらには市場内部が迷路のように複雑に入り組んでいる。商品がごちゃごちゃ積み重なっているため、全体を見通すこともできず、初めてここを訪れる人は方向感覚を失いやすい。
各店舗は本来、業種別に分類されブロック別に配置されており、地図も作製されているが、これもタイの常で例外が多く、初心者にとっては無政府状態そのものだ。
市場全体をくまなく見て回るためには、最低でも3時間はかかると思ったほうがいいだろう。
この市場で売られている商品は、生活に必要なものからまったくの趣味嗜好品に至るまで万物様々多種多様。生鮮食料品から服飾、ペット、陶磁器、骨董品、家具、牛・ブタ・アヒルなどの家畜、軍放出品など、なんでも揃っている。
おまけに値段はバンコクでもっとも安いというから買い物客が集まらないはずがない。
驚くのは、今でも広いこの市場をさらに拡張する計画があることだ。
かつてはテント屋根だったが、現在はトタン屋根に葺き替えられている。今後は市場全体にこの工事を行ってバンコク最大の常設市場にしていく方針らしい。
上水道や電話回線も引き、業者の寝泊まりも可能となれば、これは市場というよりは、新しい街の形成だ。
立地
パホンヨーティン通り、建設中のモノレール・システムの北の終点にある。
市内中心部からは、No.3、29、39、44、59、エアコンなら3、9、13の各市バスを利用するのが便利だ。 |