渋滞緩和のために始まった、運河を利用した大量輸送システムがこのボート。
新しい試みのように思われるが、こうした運河交通こそバンコク市民本来の足なのだ。
この運河交通は観光用に設けられたものではないので、道中に派手な見どころはない。というより、航行中は飛沫よけのビニールが側面に張り巡らされるため、景色がよく見えないのが実情。
市内の運河はどれもはっきりドブと断言していいほどの汚さで、黒く濁った水は汚水以外の何物でもなく、見なければよかったと後で思う景色も多い。
すべての人におすすめできるものではないが、こうした汚さに耐える意思さえあれば、その昔、東洋のベニスと呼ばれたバンコクの面影を忍ぶことができるだろう。
チケットは船内で車掌から買う。料金は目的地までの距離で決まるから、車掌に降船地を告げて金を渡すこと。
運行間隔は15〜20分で、日・祝はやや間があく。
また、雨季など水位の上昇する時期は航行中止になることもある。
セーンセーブ運河(Khlong Saen Seb)往復線
パンファー橋(ラーマ3世公園横)〜プラトゥーナーム市場〜アソーク通り(ソイ21)〜ソイ・トンロー(ソイ55)〜エカマイ(ソイ63)〜クローン・タン(運河分岐点)〜ラームカムヘン通り/ラームカムヘン大学〜ワット・シー・ブンルアン(ミンブリー)
料金 8〜18バーツ(パンファー橋〜プラトゥーナーム市場間で8バーツ)
運行 平日5:00〜19:30 日曜6:00〜19:00
全行程約18km、約1時間の船旅。
通勤利用者が多く、朝夕は非常に混む。
逆に土・日はがらがらで、便はあまりよくない。
ラートプラオ運河(Khlong Lad Phrao)−クローン・タン運河(Khlong Tan)往復線
スクムビット通りソイ71〜プラカノン〜クローン・タン(運河分岐点)〜日本人学校〜ラートプラオ通り〜パホンヨーティン通り〜チェーンワッタナ通り〜バーン・ブア〜サパーン・マイ(イン・チャルン市場)
料金 8〜16バーツ
運行 平日5:00〜19:30 日曜6:00〜19:00
スクムビット通りからドンムアン空港裏のイン・チャルン市場までを結ぶ約1時間の行程。
イン・チャルン市場はかなり大きく、外国人の姿もほとんど見かけない穴場的市場。英語はあまり通じないが、日帰り旅行気分で散策してみてはどうだろう。
また、スクムビット通りソイ71〜クローン・タン間の運河は複雑に曲がりくねっており、商い用の小船も浮かんで水上マーケット風の趣がある。 |