寺院の格
タイの仏教寺院ははっきり2種に分類される。一方は国王あるいは王室が建立した王室寺院(ワット・ルアン)、もう一方は民間人が建立した私立寺院(ワット・ラート)である。当然のことながら、王室寺院の方が格式が上だ。
王室寺院は護国寺ワット・プラケオを頂点にしてタイ全土に合計155寺があり、その重要度によって格の上下が定められている。
重要王室寺院には歴代国王の遺骨などが納められ、管理も行き届いている。しかし、王室寺院は近年まったく建立されていない。
それに対して、タイの仏教世界を底辺で支える私立寺院はタイ全土に30,000寺以上あり、その数は今も増え続けている。タイ国民にとって最高のタンブンは寺院を建立することであるから、増えることはあっても減ることはない。
しかし、人気がなくなって打ち捨てられる寺院もまた多く、住職のいない廃寺は全国に4,000寺以上もあるという。
タイ仏教には檀家制度がなく、墓を作る習慣もないので、御利益のない寺はあっさりと見捨てられてしまうのだ。 |