ワット・アルン
正式名称:ワット・アルン・ラチャワラーラーム

 

 ワット・アルンとは暁の寺という意味だ(アルンは暁、曙の意味)。アユタヤー王朝時にはワット・マコークと呼ばれた小さな普通の寺院だったが、アユタヤー王朝崩壊後の戦乱の世を制したタークシン将軍がトンブリーに都を制定して王朝を開くと、この寺院をワット・チェーン(チェーンとはタイ文語で“夜明け”の意)と名付け最高の格式を持たせ、第一級王室寺院とした。
 これは現王朝でのワット・プラケオの位置に相当する。

 タークシン将軍は、トンブリー王朝の初代国王となると、持ち前の高度な戦闘技術を駆使してアユタヤー王朝を滅ぼしたミャンマー軍を撃退。クメール軍、ラオス軍にも打ち勝って、アンナン山脈以西の支配力を最大限に強化した。
 そのラオス侵攻時の戦利品として奪い取ってきたのが、現在ワット・プラケオに祭られているエメラルド仏だ。タークシン王はこのエメラルド仏をワット・チェーンの本尊とし、トンブリー王朝の守護神とした。
 その後、タークシン王が発狂して王朝が崩壊し、部下のチャクリー将軍が引き継いでチャクリー王朝を開く。第一級王室寺院は新築されたワット・プラケオとなり、ワット・チェーンはラーマ2世の頃にワット・アルン・ラチャターラームと名を変え、ラーマ4世時に至って現在の名称となった。

 ワット・アルンと言えば仏塔(プラーン)だろう。バラモン教の破壊の神シヴァの住む聖地カイラーサ山を形どっていると言われ、仏教色はほとんどない。

 仏塔の正面には御堂が2棟建っている。1棟はワット・マコーク時代の本堂で、堂内には合計29体の大小仏像が安置されている。
 もう1棟は礼拝堂だ。ここには青銅製の仏塔と80体の仏像が祭られており、周囲は四天王像で警護されている。トンブリー王朝時はここにエメラルド仏を安置していた。

 屹立する大仏塔の陰に隠れて影が薄いが、本堂も見てほしい。ワット・アルンの本堂は仏塔正面向かって右側、船着場の近くに建っている。高さ2メートルの2体のヤック(ラーマキエン物語に登場する鬼)像に守られた小さな御堂がそれだ。
 120体の仏像が並べられた回廊を持つこの本堂は、ラーマ2世の命によって建立され、本尊の台座の中にはラーマ2世の遺骨が納められている。

 

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