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エクスプレスボート
詳細観光案内5

by 藤井伸二+ブライアン

 

ピンクラオ橋からクルントン橋へ

 ピンクラオ橋をくぐると、ボートはふたたび川を横切り、たどり着くのがバンランプー船着場だ。
 以前は少し南のプラ・アティット船着き場を利用していたが、99年から、この船着き場が使われている。
 安宿街として有名なカオサン通りが近いこともあって、ここで西洋人客の大半が下船するはず。

 離岸するとすぐ右手の木々の間に見えてくるのはプラ・スメン砦(右)。1982年のチャクリー王朝200周年を記念して修復再現されたレンガ造りの砦で、白い多面体デザインにオレンジ色の屋根が美しい。

 砦の周辺も99年にサンティチャイ・プラカーン公園として整備された。ここからピンクラオ橋にかけて、川沿いに遊歩道が設置されているので、このあたりで降りて歩いてみるのもいいだろう。

 このプラ・スメン砦の対岸に見える剥げかかった白塗り外装の木造建築物はインタラ職業学校。19世紀後半に建てられた有名な学校だが、校舎は強烈に古びていて、ほとんど廃屋だ。

 このあたりから先のチャオプラヤー川両岸は、急に視界が広がったように見通しがよくなる。鉄筋コンクリートのビルが減り、昔ながらの木造低層家屋が周辺を埋め尽くすからだ。
 同時に見物すべきものも減るので忙しい首の動きからもようやく解放される。一息ついて後はあわてずのんびり船の旅を楽しみたい。

 プラ・スメン砦を確認したら、そのまま左側を見ていよう。実はこのあたりに、あのタイ国民の酒メコン・ウイスキーを作っていたバーン・イーカン醸造所があったのだが、現在は移転して、建物の取り壊し工事に入っている。
 現在、このすぐ横で架橋工事が始まっており、向かい側にあったウィスカサット船着き場も取り壊された。

 次の名所はテーウェート市場の北側、テーウェート船着場を出てすぐの右手にある王室御座船置場だ。
 同様のものでは、バンコク・ノーイ運河を入ったところにある船置場が有名で観光名所にもなっているが、ここにはそこに収容しきれなかった御座船が納められている。

 目を凝らしていれば、船上からでもその豪華な飾り付けを小さく見ることができるはず。
 陸上から近づく場合は、サームセーン通りの国立図書館横の路地から入っていくといいだろう。ただし、入場はできない。

 続いてそのあたり、川沿いにブリキの屋根で覆われたカマボコ様の小船サンパンが係留されているが、その背後に寺院の屋根が見えないだろうか。これがワット・ラーチャティワート
 王座に就かれる前のラーマ4世が長年にわたって修行されていた寺院で、岸辺に建てられている白い建物はラーマ5世時に完成した礼拝堂だ。

 この寺の左横に見える十字架は、1837年に創立したカトリック教会の屋根に立てられているもの。この教会布教活動に努めていたパレジオ司教は、当時仏門に入られていたモンクット王子(後のラーマ4世)にフランス語とラテン語を教え、シャム国の近代的発展に大いに貢献したと言われている。

 この教会の背後にはさらに大きい聖フランシス・ザビエル教会(右上)があるのだが、船上からは、屋根の上の聖ザビエル像がわずかに見えるだけだ。

 この伝統ある古い宗教的な一角の対岸には、リバーサイド・プレイスと呼ばれるショッピング・センター/レストランが建っている。

 前方に見える橋は、バンコク(クルンテープ)とトンブリーを結ぶクルントン橋(左)。

 くぐって横に立つのが、観光ツアー客にもよく利用されているロイヤル・リバー・ホテルだ。

 

 

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